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2021年10月の記事一覧

「選挙」を通じて政治参加することの意味を考えよう

「選挙」を通じて政治参加することの意味を考えよう

 

 2・3年次生は中間考査2日目、1年次生は今日から中間考査が始まります。

 さて、第49回衆議院選挙が今日公示され、31日の投開票に向けて12日間の選挙戦に入ります。日本における選挙権拡大の歴史については、日本史、現代社会や政治・経済の授業ですでに学んでいて、知っている人も多いと思います。日本で衆議院議員選挙が初めて行われたのは1890年です。当時の有権者は、直接国税15円以上を支払う25歳以上の男子に限られていました。その後、1925年の普通選挙法により25歳以上の男子となり、女性に選挙権が認められたのは戦後になってからです。2015年に選挙の基本について定めている公職選挙法が改正され、18歳選挙権が実現しました。

 18歳選挙権となり、現在の有権者は総人口の83% 程だそうです。選挙で投票するのに、働いているか、税金を払っているかは関係ありません。学歴や学力も関係ありません。満18歳以上ならOK。投票できるのは、衆議院・参議院議員選挙、そして住んでいる自治体(県・市町村)の首長や議会議員選挙などです。そのほかにも、最高裁判所裁判官の国民審査でも1票を入れることができます。また、地方自治体におけるリコールでは住民投票が行われますが、この投票においても投票権を有します。

 残念ながら、満18歳以上の国政選挙の投票率は下落傾向が続いています。国政選挙で初めて満18歳以上が対象になった2016年の参議院選挙では10代の投票率が20代・30代を上回ったものの、直近の2019年参議院議員選挙では最も低かった20代と同水準でした。民主主義を簡単に定義することはできませんが、「一人ひとりが主権者となって国や地域に関わる制度。社会の意思決定に当事者意識と責任を持つもの」と仮に定義します。「投票していないのだから主権者ではない」とは必ずしも言い切れませんが、それでも投票率は主権者としての自覚を示す十分な指標になります。

 「政治がよくわからない」、「誰に投票しても同じ」など、様々な理由が挙げられています。しかし、財政再建や社会保障制度改革の行方などは、若い世代の将来に直接関わります。コロナ禍が続くことによって、就学支援や学びの保証など若者が直接受ける政治の影響は少なくありません。主権者としての権利を行使する際に大事なのは、「候補者の政策の違いを理解する力」です。候補者の政策を比較し、何が違うのかをはっきりと理解できるような環境があり、その上で若者もその政策の違いを理解しようとする姿勢を身に着けることができれば、質が高い投票が行われたり、投票したいと思ったりする人が増えていくのではないのでしょうか。

 投票に行く若者が増えれば、それだけで日本の政治にかかわる人たちの行動は必ず変わります。若者が日本を支えていく、未来を創っていくための手段として、「選挙」が健全に機能する社会の実現を目指しましょう。

 こんな動画が 埼玉弁護士会チャンネル にアップされています。是非ともご覧ください。

 「憲法なんて、いらねえわ!」編 https://www.youtube.com/watch?v=fY6NJbQuSxE&t=233s

 「選挙なんて、行くヒマないわ!」編 https://www.youtube.com/watch?v=M5IpB_CtzEg&t=15s