2024年8月の記事一覧
【韓国開催】UNESCO・APCEIU主催「地球市民教育」教員研修に行ってきました。
こんにちは。国語科教員の渡邊です。みなさんは夏休みいかがお過ごしでしょうか。
川越総合高校はただいま夏休み真っただ中。そんな中でも、部活動や生徒会、小論文指導や補習、調べものなどで登校する生徒のみなさんがたくさんいて、静かな中でもゆるやかにいろんな活動が行われています。
生徒のみなさんが部活に進路活動に奮闘するなか、私も研修の機会をいただいて韓国へ渡ってきました。
みなさんは地球市民教育とは何かご存じでしょうか。(英語ではGCED=Global Citizen Educationと表現されます)
国境や人種、宗教などの枠は関係なく、これからの地球の未来はここに住むみんなで作っていくもの。そのような概念の理解を推し進めていく教育のことです。今回はこのGCEDを軸とした日韓合同研修に参加してきました。
参加者は日本・韓国それぞれの教員15名ずつと、スタッフの方々が複数名。基本は英語でコミュニケーションをとり、韓国語や日本語が使用される場合は通訳の方が訳してくださります。
3泊4日の日程のなかで、8月の9~10日は韓国の首都ソウルで過ごし、11~13日は北緯38度線の北朝鮮との国境近くにある施設、DMZ平和村というところで過ごしました。こちらは北朝鮮と韓国とのあいだに築かれた平和ロードもある、接戦地域インジェという町の、自然エネルギーを利用した施設です。
DMZ平和村。豊かな自然のなかにあります。
平和ロードに結ばれた無数のメッセージ。
すぐそこが北朝鮮との国境線です。
研修で行われたのは、専門家の先生方の講演、小中高のさまざまな先生方の授業実践の発表、参加者全員の授業実践のポスターセッション、新たな授業案の考案、文化交流など。
私自身も、前任校で行ったザンビアの研修紹介授業や、川越総合で1学期に行った交流授業の様子を報告してきました。
韓国の先生方の交流授業のアイデアはとっても多彩です。
小学生自身の手書きのイラストで、SDGsについての本を出版した先生。動物愛護の立場から生徒とボランティア活動に取り組み、地域と協力して物資を集めた先生。日本との交流授業で環境問題を扱い、お互いの地域の環境問題を紹介し合った先生。絵本を使って社会問題に迫り、具体例を挙げて生徒に考えさせる時間づくりをした先生など、多岐に渡ります。
わたしもこのような素晴らしい授業をみなさんに展開できるよう、精進していかなくてはと刺激を受けてかえってきました。
最後に、研修で知り合った友人の勧めで、韓国の戦争記念博物館を訪れてきました。
日本から見た歴史は一つの視点から見たもので、韓国の方々の視点から見ると別の世界が広がる。
そんな当たり前なことを身をもって感じることができた場所でした。
海を越えた先の隣国である韓国に対して、ほんの少しかもしれませんが、一歩近づけた気がします。うまく言葉になりませんが、奇しくも韓国の独立記念日に訪れることができたこの場所でのたくさんの発見は、とても貴重なものになりました。
海外研修は大変学びが多いです。今回も、海を越えることの大事さを痛感しながら帰ってきました。
今後の授業に還元できるよう、いろいろ考えてみます!
(主催:APCEIU(アジア太平洋国際理解教育センター) 協力:日本国際理解教育学会・上智大学ユネスコチェア・岡山大学)