講話 ・ 式辞

2022年1月の記事一覧

令和3年度第3学期始業式 講話

 新年あけましておめでとうございます。

 2022年の新型コロナウイルスの様子はまだまだ予断を許しませんが、この問題が起きてからすでに2年以上経過しています。「いつまでも足踏みをしているわけにいかないな」という思いで新年を迎えました。年を新たにして、希望を胸に学校生活をスタートさせようとしている人も多いことでしょう。そんな皆さんに身に付けて欲しい三つの力と、そのために必要な目標設定について、今日はお話します。

 三つの力の一つ目は、「感情をコントロールする力」です。思いどおりにならなくてイライラしたり、失敗して落ち込んだりしてしまうことは誰にもあること。他人にあたったり、人のせいにしたりすることは決して良いことではありません。自分で気持ちを切り替え、心を整え、すっと落ち着けるよう、自分自身のやり方を見つけてください。暮れに見たドキュメンタリー番組で、ラグビーの元日本代表 五郎丸 歩 さんは、このことの重要性を語っていました。

 二つ目は、「まわりの人の気持ちを想像する力」です。人の気持ちをおもんばかるということは、まわりの人を大切にするということです。そのような人はまわりから信頼され、「この人と一緒にいたい」と思われるでしょう。人が何を望んでいるのか、また何をして欲しくないと思っているのか、想像できる人になってください。気持ちを想像するトレーニングの方法として、読書をお勧めします。色々な登場人物がストーリーを紡ぎ、なぜこの人はこんな行動をするのだろう、この人の「大丈夫」という言葉と気持ちは同じなのだろうか、など、想像を拡げる力が身につきます。

 三つ目は、「自分の言動がどのような結果をもたらすのかを考える力」です。期末考査に向けてしっかり準備をした人、準備不足や不注意から欠点をとってしまった人、自分の行動の結果は必ず自分に返ってきます。人とのかかわり方も同じです。自分が相手にしたことの結果がどうなるか、また、しなかったらどうなるか、その時にその場で適切な判断ができれば、友だちと良い関係を築くことができるはずです。 

 限られた時間の中で三つの力を身につけるために重要なのが、目標を持つことです。新年を機に目標を立てる人も多いのではないでしょうか。暦が変わり気持ちがリセットされるタイミングで目標を立てる。しかし、目標というのは時間の経過とともに忘れてしまいがちです。年末の振り返りで少しでもその達成具合を確認していればまだ良い方で、思うように目標が達成できないうちに年が明けてしまい、また次の目標を立てる。そのような人もいると思います。

 ある目標について、それをいくつかの段階に分け、今年はここまで達成しようという形で1年の目標を立てることも一つの方法です。ただ、目標を立てようとしてそのことだけを考えて設定するのではなく、自分が目標を定めるきっかけとなるような体験・経験をする中で目標の種を見つけ、それを徐々に育て、少しずつ明確にしていく目標の立て方と達成の仕方であれば、肌感覚の目標になり、継続することにも苦労しなくなるので、実現の可能性がより一層高まるのではないかと思います。

 そこで提案です。今年は新年の目標として、まず「目標の種を見つけられる可能性がある体験の質と量を増やす」、ということを目指してみてはどうでしょうか?

 そうはいっても、どのような体験が目標の種になり、どう質と量を増やせばいいのか、わからないかもしれませんね。それには、「去年までの自分だったらやっていなかったことに今年はチャレンジする」ことをお勧めします。

 目標を立て、それを達成することの意味は、「これまで思いもかけなかった自分になる、自分に対してトランスフォーメーション(転換、変換)を起こすこと」とも言えます。一度きりの人生、5年後、10年後の自分が今は思いつかないような状況にトランスフォームしていることを想像しながら、まずは目標を立てるための 体験・経験を積み重ねること を今年の目標にしてみてはいかがでしょう?

 ぜひ、この三つの力を向上させ、明確な目標を持ち、充実した高校生活を送って欲しいと思います。