講話 ・ 式辞

2021年3月の記事一覧

令和2年度第3学期終業式 講話

校長講話(放送による)

令和3年3月24日(水)

 

令和2年度第3学期終業式 講話

 

 皆さんおはようございます。放送とは言いながら、今年度の最後にこうしてまた皆さんにお話しできることを幸せに思います。

 学年末考査、入試、球技大会と慌ただしい中で、新しい春の訪れを感じさせる毎日が続いています。穏やかな日和は穏やかな心を引き出し、穏やかな心を持った人々を引き付けてくれます。私も、川総で皆さんとともに歩んできた12か月の間に沢山のことを学びました。豊かな学びは、本校の落ち着いた雰囲気のおかげであると、この恵まれた環境に感謝の気持ちがこみ上げてきます。生徒の皆さんもこの一年よく頑張りました。この後の表彰でも披露させていただきますが、この度、国家資格である3級フラワー装飾技能士に合格した人が4名出ました。検定試験に向けた準備が十分に行えない中で、立派な成果を収めました。他の資格等についても、日々の努力を大きな成果に結びつけた人たちがいます。この場をお借りして、敬意を表します。

 さて、およそ2か月半にわたった首都圏(1都3県)の緊急事態宣言が21日に解除されました。ここ数日の感染状況を見る限り、県内では下げ止まりの状況が続いています。一方で、2カ月半続いた自粛要請に疲弊する人や、自粛に飽き飽きして、先週末には外出する人が増え、自粛の「お願い」に頼った感染対策には限界が見えてきました。今最も注意しなければならないのは、開放感によって人出が急激に増え、陽性者が急増するリバウンドです。陽性者が爆発的に増えてしまえば、再び感染対策を強化せざるを得なくなります。宣言の解除は、「すべての行動をコロナ前に戻して良い」ということを意味しているわけではありません。私たちはこれから先、新型コロナウイルスとどう付き合っていくべきなのか?ワクチンが行き渡るまでは、宣言が解除されても、しばらくの間は、私たちの生活が制約される状況が続くものと思われます。

 宣言の解除に伴い、政府は新型コロナウイルス対策の「基本的対処方針」を変更するとのことです。新たな対処方針では、「社会経済活動を継続しながら再度の感染拡大を防止するための取組を進める」としています。解除後も、飲食時の感染防止や、変異したウイルスの監視体制の強化、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、安全で迅速なワクチン接種、次の感染拡大に備えた医療体制の強化といった5つの柱を徹底し、感染の再拡大防止に全力を挙げるとの方針を、菅総理大臣が先週明らかにしています。 

 新型コロナウイルスが流行するこれまでの過程では、最初に歓楽街に出入りする人の間で陽性者が増え、家族間や高齢者施設で働く若い従業員などに感染が広がっていきました。そこからリスクの高い高齢者へと感染が広がることで、重症者が増えたのはご案内の通りです。できることは限られますが、もう一度基本に立ち返って、手洗い、手指消毒、食事の際の会話の禁止などの徹底について、御協力をお願いします。

 今日は、若者の政治参加について話しをします。

 福井県鯖江市役所にあるJK課は、地元の女子高生たちが中心となって、自由にアイデアを出し合いながら自分たちのまちを楽しむ、市民協働推進プロジェクトです。さまざまな市民・団体や地元企業、大学、地域メディアなどと連携・協力しながら活動を行っています。プロジェクトのそもそもの目的は、地域の活性化。8年前に行われた大人版地域活性化プランコンテストで、「地域や社会に文化的な影響を与え、鋭く観察している女子高校生を主役に、まちづくり活動をしたらどうか」と提案されたのがきっかけです。8年経過した今、市の担当者が一番感じていることは、若者の声を受けてまちや大人が変わったこと、若者自身の意識に変化が見られたということ。これまで、女子高校生の発想から、図書館の空き机がわかるアプリの開発、スイーツ商品の企画、ハロウィンに仮装してごみ拾いを行なう「ピカピカプラン」などを実施しました。事業化に際し、アプリ開発ではIT企業、スイーツ企画では市内のパティシエグループなど、地元の企業や団体、ボランティアグループが次々と名乗りを上げました。

 こうして、自分たちの働きかけでまちが変化するのを目の当たりにするうちに、次第に女子高校生自身の意識に変化が生まれました。最大の変化は、「他人事」だったまちづくりを「自分事」として捉えるようになったこと。自分たちが動けば、まちや大人が変わると実感したことで、当事者意識が生まれてきました。

 今年は10月21日の任期満了に伴う衆議院議員総選挙が予定されていますが、5年前から選挙権年齢が18才以上に引き下げられ、一部の2年次生は国政選挙の有権者となります。自分の暮らしている地域や日本・世界の未来について考え、国家・社会の責任ある形成者として、主体的に社会に参画していく事が求められます。今後、皆さんには労働知識や政治的教養を含めた、大人としての常識をしっかり身につけていただき、困難に立ち向かって欲しいと願っています。

 4月からスタートする令和3年度も新型コロナウイルスとの戦いが続くでしょう。あえて「0ロコロナ」とか、「コロナに打ち勝つ」という言葉は使いません。目の前にある困難を一つずつ乗り越えて、これまで以上に素晴らしい川総を、皆さんとともに創っていきましょう。

 一年間ありがとうございました。以上で講話を終わります。