講話 ・ 式辞

2020年4月の記事一覧

穀雨(こくう)について

生徒の皆さんへ④
令和2年4月28日


穀雨(こくう)について


埼玉県立川越総合高等学校
校長 服部 修


 今年の春は、いつもとは大きく違う季節になりました。日々溢れる情報の取捨選択に疲れて気持ちが沈んでしまいそうになる中で、上を向く機会を唯一与えてくれたのがサクラやハナミズキの花でした。
 さて、唐突な質問ですが、皆さんは「穀雨」をご存じですか?
 川総で学ぶ生徒には、ぜひとも知っておいていただきたいキーワードです。
 4月19日から5月4日の期間は、二十四節気 (にじゅうしせっき)の一つで立春から数えて5番目にあたる穀雨と呼ばれています。 二十四節気は古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。日本の1年を24等分して、約15日ごとに移ろう細やかな季節それぞれに名前を付けたものです。穀雨は、穀物をうるおす春の雨が降る頃。昔から、種まきの好機とされてきました。穀物だけではなく、色々な草花(雑草も)も春の雨を浴びて、ぐんぐん育っていきます。 穀雨は、田畑を潤して穀物の成長を促す雨もあり、昔はこの時期から田植えの準備をする等、農作業を行う目安だったそうです。春の雨の後には 、安定した晴れの日が続きやすいと昔から言われてきました。
 そしてこの時期が終わると、童謡・唱歌でお馴染みの八十八夜( 今年は5月1日です)が訪れます。これは立春から88日目の夜のことで、「八十八」を組み合わせると「米」という字になることや末広がりを表す字が重なることから、この日に摘んだお茶は縁起物であり、栄養価も高く、口にすると1年元気に長生き出来ると言われています。 農業に携わる人にとっては大変重要な日とされてきました。
 恵みをもたらす雨は、穀物に対してだけではなく、この雨が長い冬の間大地に眠っていた沢山の生命を目覚めさせ、様々な生物が活発に動き始めることも意味しています。
 昨今、私たちに降りかかっている先の見えないこの状況にも、やがて安定した穏やかな晴れの日が必ず訪れます。その時に、あの頃降りかかった雨は転機であり必然だったのだと思えるよう、今は大変ですが、生徒の皆さんにはそれぞれの場所で、来るべき日のために戦略と戦術を練り、そしてその為の勉強や知識を補てんする等、本当の意味での春を迎える準備の時間にしていただきたいと思います 。