講話 ・ 式辞

2015年3月の記事一覧

卒業式 式辞

平成26年度埼玉県立川越総合高等学校 卒業証書授与式 式辞

 

 厳しかった冬の寒さも和らぎ、木々の芽吹きもすがすがしく、春の息吹を感じられる良き日となりました。

 234名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。また、保護者の皆様方にも、お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。

  本日の卒業証書授与式にあたり、PTA会長池田健康様、後援会々長諸口高男様、同窓会々長大野松茂様、一般財団法人埼玉県農業高等学校育英会代表理事古寺五一様を始めとする多数のご来賓の皆様、そして保護者の皆様のご臨席を賜り、ここに埼玉県立川越総合高等学校卒業証書授与式が、盛大に挙行できますことは、卒業生、在校生はもちろんのこと、私たち教職員にとりましてもこの上ない喜びでございます。ご臨席の皆様に、厚く御礼申しあげます。

 ただ今、卒業証書を授与されました卒業生の皆さん、本日の晴れの日を迎えられたのは、皆さん自身の努力とともに、ご家族、友人、先生方、地域の方々など、多くの皆様の支えがあったことを、けして忘れないでください。この授与式が終了した後、授与された卒業証書を手に、保護者の方とお世話になった方々に、改めて「ありがとうございました」の感謝の言葉を送っていただきたいと思います。そして、保護者の皆様にも、お子様のこの三年間の成長を改めて感じていただくとともに、これから新たなステージに立ち、大きく羽ばたこうとしているお子様に、激励の言葉をかけた頂けれは幸いでございます。

 さて、卒業生の皆さんにとって、川越総合高校での3年間の生活は、どんなものだったでしょうか。振り返ってみれば、楽しかったこと、辛かったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、様々なことが思い起こされることでしょう。期待と不安で一杯だった3年前の入学式。そこで初めて出会い、「おはよう」の一言だったかもしれない、ほんの短い言葉を交わした切っ掛けで、生涯の友が出来た人。厳しい指導で嫌いだった先生の何気ない一言で、自分の進路に夢がふくらみ、果敢に挑戦して夢の第一歩を踏み出した人。不登校気味で引っ込み思案だった性格が、多くの人々とのふれ合いの中で、人前でも堂々と自分の意見が言えるようになった人。3年間の高校生活は、あっという間に過ぎ去りました。同じ時を過ごした友人、先輩、後輩、先生、地域の方々との出会い。授業はもちろん文化祭や修学旅行などの学校行事。そして、部活動などの様々な体験が、皆さんを大きく成長させてくれました。自分の努力と周りの支えで立派に成長しました。

 今日ここに卒業式を迎えられた皆さんは、過ぎた日の想い出を胸に、明日からはそれぞれの進路先での、新しい生活を始めなくてはなりません。新しい環境で、新たな出会いと体験を重ねながら、さらに成長していただけることを私たちは期待しています。 

  そこで、先日の三送会のメッセージにも書きましたが、卒業生への餞の言葉として次の言葉を送ります。「人を信じなさい。しかし、その百倍自分を信じなさい」繰り返します「人を信じなさい。しかし、その百倍自分を信じなさい」という言葉です。私や保護者の方がまだ子どもだったころに、「鉄腕アトム」というロボット漫画を始めとして、「ジャングル大帝」や「ブラックジャック」など数多くのストーリー漫画を描いていた、手塚治虫さんという漫画家さんの言葉です。

 手塚治虫さんは、日本のアニメ文化の礎を気づいた方の一人です。漫画がまったく評価されない時も長くあり、医学部を卒業したのでお医者さんという生き方もできたにもかかわらず、漫画家として生き抜いた方です。そんな苦労の時代も、信じていた多くの人々に助けられたことによって、生涯を漫画家として過ごすことができたということでした。人を信じて、裏切ることなく、誠実に暮らすことが長い人生の中では大切だということです。しかし、人を信じるためには、自分はその人を信じていいんだ、そして、自分は目の前の苦悩を必ず乗り越えることができるんだといういうように、自分自身を強く信じることができなければ、途中で、この人を信じて良いんだろうか、こんなことをしていて良いんだろうかと揺れ動き、その結果何も信じられなくなり、何も結果が残せないことも多いということです。皆さんの、それぞれの可能性と能力を信じましょう。そして、人を信じ、お互いの信頼関係の中で素晴らしい社会を形成していただきたいと思います。 

  これからの社会は皆さんが築いていくのです。一人一人の思いや行動は小さなものです。しかし、その小さなものが少しずつ積み重なり、それぞれが関わり合っていくことで大きなうねりになり、必ず社会を変えていく力になるのです。本校の復興支援ボランティアのスローガンにある「微力ではあるけれど無力ではない」の精神こそ大切なものなのです。様々なことにチャレンジし、その過程を大切にしていくことによって、皆さんの人生も充実した満足のいくものになるものと、私は確信しています。本校での3年間で立派に成長できた皆さんですから、川越総合高校の卒業生としての自信と誇りを胸に、日々努力することで、必ずや洋々たる人生が開けていくものと信じています。

  結びに、ご列席の皆様方に改めて御祝いと御礼を申し上げますとともに、川越総合高校の良き理解者として、今後ともお力添えを頂けれは幸いでございます。そして、卒業生の皆さんが、今後益々活躍されますことを心よりご祈念しまして、式辞と致します。

  平成27年3月14日

                   埼玉県立川越総合高等学校長    柿沼 重信