講話 ・ 式辞

儀式等で お話しした内容を掲載いたします。

開校記念日について

 

開校記念日について

  明日の4月15日(木)は開校記念日です。本校は大正9(1920)年4月15日に開校し、今年で101年目を迎えます。「県立蚕業学校」として県立学校の中では10番目に設立され、「県立農蚕学校」「県立川越農蚕学校」と校名を変えながら、当時の輸出産業の花形であった生糸を生産する養蚕技術の振興・発展のために重要な役割を担ってきました。戦後の学制改革により、昭和23(1948)年には「県立川越農業高等学校」として広く農業教育を推進し、農業とその関連産業の育成・振興に大きく貢献してきました。平成8(1996)年に時代の進展に即応した総合学科を設置し、校名を現在の「県立川越総合高等学校」に改め、農業・家庭科目を主とした総合学科高校として新たな道を歩み出し、26年目を迎えます。卒業生は1万9千5百人を超え、皆さんのご家族にも卒業生や在校生がいるご家庭があると思います。まさに校訓に掲げる「真理と正義を愛し、勤労と責任を重んじる」教育を実践し、社会に有為な人材を多方面に多数輩出してきました。

 昨年(2020)創立100周年の節目を迎えましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、1月26日(火)に予定されていた記念式典を9月2日(木)に延期し、多くの方々が安心して参加できる式典を目指し仕切り直しすることとしました。本来なら、この3月に卒業していった総合学科第23期生を中心に、式典を盛大に挙行するはずでしたが、その機会を持つことができず、23期生は無念の思いを残しつつ卒業しました。在校生の皆さんには、その思い是非とも晴らしていただきたいと思います。生徒の皆さん一人ひとりが、開校記念日を機に気持ちを新たにし、今後とも、①豊かな感性を育み 、②謙虚さを持ちつつ自らを律し、③主体的に行動することに一層邁進し、 川総生としての誇りを抱きつつ、学業や部活動、学校行事を通して充実した高校生活を送ってもらえるよう期待しています。

 明日は休業日となります。母校の101年の歴史と伝統に感謝し、「広い視野を持ち、夢の実現に向けて学び続ける生徒」として、有意義にお過ごしください。

 

令和3年度 入学式 式辞

式 辞

 

 本日晴れて「県立川越総合高等学校」に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。すべての教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。そして、皆さんを今日まで育て、勉強を支えてこられたご家族をはじめ関係の方々にも、心よりお慶びを申し上げます。

入学式は、新入生の皆さんを歓迎する式典であるとともに、「この高校で学ぶ」意識を確認していただく機会でもあります。この記念すべき4月8日を、「今日この日から始まる、川越総合高校での高校生活を実りあるものにするぞ!」という宣言の日にしてもらいたいと思います。

 さて、本校は、大正9年4月、「県立蚕業学校」として創立され、「県立農蚕学校」、「県立川越農蚕学校」、と校名を変えながらも、当時の輸出産業の花形であった、生糸を生産する養蚕技術の振興・発展のため、大きな期待を受け重要な役割を担うとともに、その責任を果たしてまいりました。戦後の学制改革により、昭和23年には「県立川越農業高等学校」として、広く農業教育を推進し、農業とその関連産業の育成・振興に大きく貢献してきました。そして、平成8年には、時代の進展に対応した総合学科を設置し、校名を現在の「県立川越総合高等学校」に改め、「農業科目を主とした総合学科」として新たな道を歩みだし、今年で26年目、創立101年目を迎えます。卒業生も1万9千5百人を超え、まさに校訓に掲げられている「心理と正義を愛し、勤労と責任を重んじる」教育を実践し、社会に有為な人材を多方面に多数輩出してまいりました。

 ただ今、入学を許可しました新入生の皆さん。皆さんは、9年間の義務教育を終え、自分の意思で本校への進学を決意し、合格されました。川越総合高校は皆さんの入学を心から歓迎いたします。皆さんは、伝統ある本校で、そして、地元から深く愛されている本校で学べることに誇りを持ってください。今まさに、大きな希望と幾ばくかの不安を胸に、新たな学校生活を始める皆さんに、あらためて、学校とはどういうものか、お話ししたいと思います。

 学校は、学びあうところです。教科の勉強はもちろんですが、それ以外にも様々なことを、教職員から、また生徒どうしで学ぶことができます。本校には、いろいろな種類の、そして数多くの、学びの仕掛けがあります。皆さんは、それらの仕掛けに気付く人になっていただきたい。どうすれば仕掛けに気付く人になれるか。まずは、好奇心旺盛であること、そして、謙虚であること。世の中は学ぶべきものであふれていることを知っている人、そして、自分には足りないものがあることを自覚している人は、学びのチャンスをつかむことができます。学びのチャンスをつかむことができる人は、大きく成長するはずです。

  次に、学校は、小さな失敗や挫折を経験するところです。大人になってから初めて失敗をしたのでは、立ち直り方がわからず、前へ進めなくなってしまうかもしれません。学校の中で経験する小さな失敗や挫折を大切にしましょう。それらの経験は、きっと皆さんを、強くたくましい人にしてくれるはずです。ただ、皆さんは、失敗したとき、「ごめんなさい」ときちんと言うことができる人であって欲しい。学校は、皆さんの小さな失敗や挫折を見守り、支える存在でありたいと思っています。

 そして、学校は、互を認めあうところです。認めあうとは、決して、ぬるま湯のような関係であるということではありません。本校には、生徒・教職員あわせて800人近くの人たちがいます。それぞれ個性を持った人たちが、互いに切磋琢磨し、高め合う関係を築き上げていきます。まずは、皆さんが他者から尊重されるために、皆さん自身が他者を尊重するというところから始めましょう。互いに認めつつ、みんながレベルの高い居心地の良さを感じられる集団になりましょう。

 最後になりましたが、新入生のみなさんが、この川越総合高校で過ごす限られた時間を大切にしてください。そして、みなさんのその大切な時間を、私たち教職員も一緒に共有できることに深く感謝して、入学式の式辞といたします。

                         令和3年4月8日   

 埼玉県立川越総合高等学校 校長 服部 修

 

令和3年度 第1学期 始業式 講話

令和3年4月8日(木)

体育館にて

令和3年度第1学期始業式 講話

 

 皆さんおはようございます。中院の桜が葉桜になり、総合学科棟前のハナミズキが見ごろを迎えました。例年より早い春の訪れにウキウキした気分になります。このような中で新年度を迎えることができ、大変嬉しく思います。反面、コロナ禍の中での学校生活には息苦しさを感じる部分もありますが、あえて今日は感染症拡大防止対策の話を封印します。

 令和3年度最初の始業式を迎え、ここにいる473名全員が進級して一つ年次があがりました。おそらく、何らかの新しい決意をして登校してきた人も多いのではないかと推測します。最初に2・3年次生の皆さんにお願いしておきたいことがあります。今日の午後、総合学科第26期の入学生を迎えます。新入生の皆さんが早く学校に慣れるよう、先輩として思いやりの心を示してあげてください。何気ない細かな心遣いや気遣いは、きっと新入生には大きな励ましになると思います。そして、これから始まる川越総合高校での学校生活の送り方について、色々とアドバイスしてあげてください。よろしくお願いします。

 新たな年度を迎えるにあり、ここでは、学年別に必要と思う心構えについてお話ししたいと思います。

 2年次生の皆さん、目標をはっきりと定めて、その目標に向かって「挑戦」してください。毎日の授業を真剣に受けることはもちろんですが、各種資格試験に積極的にチャレンジしてください。資格は皆さんの主体的に学ぶ姿勢や態度を育て、必ず各自に対する評価に繋がります。2年次の過ごし方でほぼ進路の方向づけは決まってきます。大変重要な1年になります。部活動や課外活動でも中心的な活躍が期待され、忙しい一年になると思いますが、学習に、部活動に、全力で挑戦してください。

 3年次生の皆さんは最上級生になります。学習や部活動だけでなく、学校内外での挨拶、みだしなみ、自転車や公共交通機関での乗車マナーに至るまで、最上級生としてのふるまいが求められます。そして、新入生や新2次年生をリードしていってください。川総の伝統や校風を作り出す責任は最上級生である3年次生にあります。卒業していった23期生の先輩たちは立派な卒業式を終えました。そのバトンをしっかり引き継ぎ、今まで以上に全力で、何事にも挑戦する本校の伝統、校風を発展させてください。また、3年次生の皆さんは進路決定の時期を迎えます。そのことを強く意識して、何事にも全力で取り組むことを期待します。

 長い人生の中で必死に学ぶことができるのは高校時代だと思います。一生懸命に勉強した、努力した、その経験は大人になったとき、必ず活きてきます。それは全ての生徒の皆さんに共通しています。「挑戦すること」「創造すること」「継続すること」を生活の中心に据え、勉強、部活に全力投球してください。勉強でも部活動でも最高の準備、最高の成果を目指してください。中でも、不得手なものへの「挑戦」、苦手なものを克服する「挑戦」、未知なるものへの「挑戦」に果敢に取り組んでください。自分を変えるためには、「決意」や「想い」が必要です。この1年をどんな年にするのか、何をやり抜くのか「決意」し、「想い」を強く持ち、スタートし、「挑戦」してください。皆さん一人ひとりにとって、飛躍の一年、成長の一年になることを願い、第1学期始業式の挨拶とします。

 

令和2年度第3学期終業式 講話

校長講話(放送による)

令和3年3月24日(水)

 

令和2年度第3学期終業式 講話

 

 皆さんおはようございます。放送とは言いながら、今年度の最後にこうしてまた皆さんにお話しできることを幸せに思います。

 学年末考査、入試、球技大会と慌ただしい中で、新しい春の訪れを感じさせる毎日が続いています。穏やかな日和は穏やかな心を引き出し、穏やかな心を持った人々を引き付けてくれます。私も、川総で皆さんとともに歩んできた12か月の間に沢山のことを学びました。豊かな学びは、本校の落ち着いた雰囲気のおかげであると、この恵まれた環境に感謝の気持ちがこみ上げてきます。生徒の皆さんもこの一年よく頑張りました。この後の表彰でも披露させていただきますが、この度、国家資格である3級フラワー装飾技能士に合格した人が4名出ました。検定試験に向けた準備が十分に行えない中で、立派な成果を収めました。他の資格等についても、日々の努力を大きな成果に結びつけた人たちがいます。この場をお借りして、敬意を表します。

 さて、およそ2か月半にわたった首都圏(1都3県)の緊急事態宣言が21日に解除されました。ここ数日の感染状況を見る限り、県内では下げ止まりの状況が続いています。一方で、2カ月半続いた自粛要請に疲弊する人や、自粛に飽き飽きして、先週末には外出する人が増え、自粛の「お願い」に頼った感染対策には限界が見えてきました。今最も注意しなければならないのは、開放感によって人出が急激に増え、陽性者が急増するリバウンドです。陽性者が爆発的に増えてしまえば、再び感染対策を強化せざるを得なくなります。宣言の解除は、「すべての行動をコロナ前に戻して良い」ということを意味しているわけではありません。私たちはこれから先、新型コロナウイルスとどう付き合っていくべきなのか?ワクチンが行き渡るまでは、宣言が解除されても、しばらくの間は、私たちの生活が制約される状況が続くものと思われます。

 宣言の解除に伴い、政府は新型コロナウイルス対策の「基本的対処方針」を変更するとのことです。新たな対処方針では、「社会経済活動を継続しながら再度の感染拡大を防止するための取組を進める」としています。解除後も、飲食時の感染防止や、変異したウイルスの監視体制の強化、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、安全で迅速なワクチン接種、次の感染拡大に備えた医療体制の強化といった5つの柱を徹底し、感染の再拡大防止に全力を挙げるとの方針を、菅総理大臣が先週明らかにしています。 

 新型コロナウイルスが流行するこれまでの過程では、最初に歓楽街に出入りする人の間で陽性者が増え、家族間や高齢者施設で働く若い従業員などに感染が広がっていきました。そこからリスクの高い高齢者へと感染が広がることで、重症者が増えたのはご案内の通りです。できることは限られますが、もう一度基本に立ち返って、手洗い、手指消毒、食事の際の会話の禁止などの徹底について、御協力をお願いします。

 今日は、若者の政治参加について話しをします。

 福井県鯖江市役所にあるJK課は、地元の女子高生たちが中心となって、自由にアイデアを出し合いながら自分たちのまちを楽しむ、市民協働推進プロジェクトです。さまざまな市民・団体や地元企業、大学、地域メディアなどと連携・協力しながら活動を行っています。プロジェクトのそもそもの目的は、地域の活性化。8年前に行われた大人版地域活性化プランコンテストで、「地域や社会に文化的な影響を与え、鋭く観察している女子高校生を主役に、まちづくり活動をしたらどうか」と提案されたのがきっかけです。8年経過した今、市の担当者が一番感じていることは、若者の声を受けてまちや大人が変わったこと、若者自身の意識に変化が見られたということ。これまで、女子高校生の発想から、図書館の空き机がわかるアプリの開発、スイーツ商品の企画、ハロウィンに仮装してごみ拾いを行なう「ピカピカプラン」などを実施しました。事業化に際し、アプリ開発ではIT企業、スイーツ企画では市内のパティシエグループなど、地元の企業や団体、ボランティアグループが次々と名乗りを上げました。

 こうして、自分たちの働きかけでまちが変化するのを目の当たりにするうちに、次第に女子高校生自身の意識に変化が生まれました。最大の変化は、「他人事」だったまちづくりを「自分事」として捉えるようになったこと。自分たちが動けば、まちや大人が変わると実感したことで、当事者意識が生まれてきました。

 今年は10月21日の任期満了に伴う衆議院議員総選挙が予定されていますが、5年前から選挙権年齢が18才以上に引き下げられ、一部の2年次生は国政選挙の有権者となります。自分の暮らしている地域や日本・世界の未来について考え、国家・社会の責任ある形成者として、主体的に社会に参画していく事が求められます。今後、皆さんには労働知識や政治的教養を含めた、大人としての常識をしっかり身につけていただき、困難に立ち向かって欲しいと願っています。

 4月からスタートする令和3年度も新型コロナウイルスとの戦いが続くでしょう。あえて「0ロコロナ」とか、「コロナに打ち勝つ」という言葉は使いません。目の前にある困難を一つずつ乗り越えて、これまで以上に素晴らしい川総を、皆さんとともに創っていきましょう。

 一年間ありがとうございました。以上で講話を終わります。

卒業式 式辞

卒業式 式辞

  

 春の息吹が感じられる今日この佳き日、令和2年度第23回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員及び在校生にとって大きな喜びであります。本日晴れの日を迎えられた234名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 保護者の皆様におかれましては、お子様の成長された今日の姿に感慨も一入のことと存じます。ご卒業をお慶び申し上げますとともに、これまで私どもが賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

  さて、卒業生の皆さんが進むこれからの社会は、コロナ禍の影響もありこれまで以上に変化の著しいものとなるでしょう。「十年一昔」は死語となり、日々情報に溢れ、世にいう常識が瞬く間に変わってしまう、激しい変革に戸惑うことが多くなると思われます。また、AI(人工知能)が凌駕し、人間の尊厳が脅かされるような場面も出てくるかもしれません。そんな時、本校での学びを存分に発揮し、焦らず、慌てず、挫けずに、地に足の着いた実践を心掛けてください。本校で着実に学びを重ね、成長を遂げた皆さんのことです。これからの社会が求める人材に相応しく、次代を担う実践者となってくれるものと確信しています。 

 卒業生の皆さんにこうしてお話しするのは今日が最後の機会となります。是非この場でお伝えしたいことが2つあります。 

 1つ目は、人格形成の自覚についてです。一般的に、我々の人格は、概ね20年で完成すると言われています。私事で恐縮ですが、幼馴染や学生時代からの友人が集まると、良くも悪くも、昔のままの姿がそこにはあります。つまり、人間の人格は20年前後で完成され、その後の経験から多少の知恵は身に着けたとしても、その本質は大きく変わらないということです。人格とは人柄、他人に対する思いやりや物事を謙虚に受け止められる資質は、自分の可能性を大きく広げ、一方で、言い訳や他人の悪口を重ねるような言動は社会のなかで受け入れられる要素は微塵もありません。この3年間、多様な人間関係のなかで皆さんが学んだことは、一人ひとりの人格形成に大きな影響を与えているはずです。まずそのことを認識し、さらに卒業後の2~3年が人生を送るうえでの基盤を作る最も重要な時期だということをしっかりと自覚し、本校を巣立ってもらいたいと思います。

 2つ目は、物事を成そうとする強い想いと志についてです。一昨年ノーベル化学賞を受賞された、リチウムイオン電池の産みの親でもある 吉野 彰 さん(旭化成株式会社名誉フェロー)は、「ムダなことをたくさんしないと、新しいことは生まれてこない。」という言葉を若者に向けて発言されています。4月から職に就く人、進学して新たな環境で学ぶ人、海外での活躍を夢見てコロナ禍の終息を待つ人。234名の進路は多種多様です。どうか皆さんには、何事にも興味・関心を持つ姿勢を忘れず、自らの可能性を拡げ、「夢の実現」に向けてたゆまぬ努力をし、必ずや自己実現を果たして欲しいと思います。

 結びに、卒業生の皆さんの今後のご活躍を祈念して、式辞とさせていただきます。

 

    令和3年3月13日

 埼玉県立川越総合高等学校 校⾧ 服部 修